はじめに
本記事では、大人気のキーボードである「Keyball」の選び方から組み立てに必要な「すべての知識」を徹底解説します。
私自身、初めてのKeyball製作では本当に苦労しました。
というのも、Keyballを組み立てるために必要な情報がさまざまな場所に散らばっていて、どうすればいいのかわからなかったからです。
そんな苦労をしないためにも、最後までこの記事を読んで、「最幸で最高のキーボードであるKeyball」をゲットしてください!
ちなみに、私のKeyball44たちです。
めっちゃ良くないですか?
これで仕事したらテンション上げです!笑
対象読者
- 少しでも「Keyball」に興味がある方(Keyball39、Keyball44、Keyball61のどれでもOK!)
- はんだ付け初心者の方
- 自作キーボードを初めて作る方
Keyballとは
そもそもKeyballとは、ヨーキースさんが設計した「トラックボール付きの左右分割型自作キーボード」のことです。
Keyballのメリット
Keyballを導入することのメリットは、次の3つだと考えています。
- ホームポジションを崩さずタイピングをすることが可能
- マウス操作をトラックボールで行うことにより、キーボードとマウスの往復動作がなくなる
- 自分に合ったキー数を選べる全3モデル展開(Keyball39、Keyball44、Keyball61)
ホームポジションからなるべく離れずにタイピングをするだけであれば、60%キーボードのようなコンパクトキーボードでも実現可能です。
しかし、「Keyball」はコンパクトでありながら親指付近の絶妙な位置にトラックボールが搭載されています。
つまり、マウスで行っていた操作を親指のトラックボールで完全に再現できちゃうんです!
もちろん、マウスの「左クリック」や「右クリック」、「戻る」、「進む」などの操作もKeyballのキーを使って簡単に行うことができます。
そのため、親指でトラックボールを操作することにより、ホームポジションに手を置いたまま「マウス操作」と「タイピング」を両立させることができちゃうんです!
それはもう「革命」以外の何者でもありません笑
どうですか?皆さんもKeyballいいと思いません?←布教のための圧力w
Keyballのデメリット(費用と時間)
こんなに良いキーボードなのに、周りに持っている人がいない。
そんなことを思ったことはありませんか?
その理由は2つあると考えています。
- 金銭的理由
- 時間的理由
まず、Keyballを手に入れるのにかかる費用を確認しておきましょう。
Keyballを手に入れるためには、後ほど紹介する「工具」や「組み立てキット」、「その他部品」などたくさんのものが必要になります。
それらを全部合わせると約4〜6万円ほどかかることになります。
また、Keyballは自作キーボードと言うだけあって、はんだ付けを伴う組み立てが必要になります。
そうなると、必要なものを購入し、はんだ付けのやり方を学んで組み立てるまでにざっくり10〜15時間程度はかかると思います。
これらのデメリットを考慮すると「Keyballいらないか」となってしまうのもわかります。
というか過去の私です笑
ただ、毎日使うキーボードなのにこの2つの理由だけで諦めて欲しくないです。
金銭的理由に関しては、キーボードは毎日使うものなので、5年も使えば実質タダ同然(笑)ですし、はんだ付けは無理にする必要はありません。
というのも「Keyball組立サービス」があるからです。
時間的コストも考えると、自分で組み立てるより安い価格で完成品がゲットできると思います!
自分で組み立てた方が良いのかの判断基準
そもそも、Keyballを自分で組み立てた方が良いのかどうかの判断基準は、「時間的余裕があるか」と「複数台欲しいか」の2つだと思っています。
時間的余裕がない人はサクッと組立サービスで完成品を購入するのがおすすめです。
一方、複数台欲しい方は自分で組み立てた方が安く済む可能性が高いです。
「家用と職場用に2台欲しい」とかであれば、自分で組み立てるのもありだと思います。
また、「金銭的・時間的コストは気にせず、自分で組み立てたい」という方は、ぜひこの記事を最後まで読んだ上で挑戦してみてください!
Keyball組立サービスのリンクも貼っておきます。
お金と時間的コストを節約したい方は、ぜひ使ってみてください!
どのKeyballがあなたに合っているのか
さてさて、Keyballの魅力が存分に伝わったところで、どのKeyballがあなたに合っているのかというお話をさせていただければと思います。
前述した通り、Keyballにはキー数の異なる39、44、61の3モデルがあります。
各モデルの特徴と選択のポイントは以下のとおりです。
Keyball39
- 【キー数】39キー(うち親指5キー+通常34キー)
- 【特徴】数字キーとEnterやBack Spaceなどの小指外側の列がない
- 【メリット】コンパクトで、キー数が少ないため、ミニマリストなデザインを好む方に適している
- 【デメリット】数字キーや小指外側の列がないため、慣れるまでに時間がかかる
Keyball44
- 【キー数】44キー(うち親指5キー+通常39キー)
- 【特徴】数字キーはないが小指外側の列はある
- 【メリット】数字キーはないがホームポジションから手の届く範囲に多くのキーが配置されている
- 【デメリット】数字キーを多用している人は慣れるまでに時間がかかる
Keyball61
- 【キー数】61キー(うち親指5キー+通常56キー)
- 【特徴】数字キーも小指外側の列もある
- 【メリット】フルサイズのキーボードに近い感覚で使用でき、数字入力や特殊キーの操作が多い方に適している
- 【デメリット】数字キーなどを押下する際にトラックボールが干渉する人も多い
選択のポイント
どのKeyballを購入するかは、どのキーをよく使っているかを考慮して選択するのが一番いいと思います。
ただ、エンジニアには44キーのKeyballを激推ししておきます笑
というのも、エンジニアは小指外側の列のキーを多用すると思っているからです。
そこがなくなると、親指部分にそれらのキーを持ってくることになるんですが、39だとそれでも記号などのキーが足りなくなるんですよね。
「もう少しキーがあれば。。。」ってなることが頻発します笑
また、61だと数字キーを押下しようしたときに、手のひらがトラックボールに干渉することが多々あります笑
それが原因で結局数字キーを使わなくなっていくんですよね。
そもそも、数字キーはKeyballのレイヤー機能を使ってテンキーっぽい運用ができるので不要になるんですよね。
以上の理由から、エンジニアのみなさんにはバランスの取れた44キーのKeyball44を激推しておきます笑
ただ、こればかりは好みなので異論は認めます笑
Keyballの製作に必要なもの
組み立ての覚悟ができて、自分に合うKeyballを選定できた方は、いよいよKeyballの製作に入っていきましょう。
ただ、Keyballを製作するにはいくつかの壁を乗り越えなければなりません。
まず1つ目の壁は、「組み立てキット」や「部品」、「工具」など様々なものを揃えることです。
ただ皆さんは安心して大丈夫です。
私がKeyballの製作に必要だったものを全部教えちゃいます!
【必須|遊舎工房】Keyball組み立てキット
まずはKeyballの製作に必要な「Keyball組み立てキット」からです。
組み立てキットは、遊舎工房か白金ラボで購入することができます。
おすすめの購入先は遊舎工房です。
というのも、遊舎工房は自作キーボード界隈では有名な販売店なので、Keyballの組み立てに必要な多くの部品も揃えることができます。
ちなみに、Keyballは人気商品のため、組み立てキットが完売となってしまうことがあります。
もし売り切れの場合は、入荷通知を必ずONにしておきましょう。
3種類のKeyball
【必須|遊舎工房】Pro Micro
次は、Keyballの頭脳となる部品である「Pro Micro」です。
Pro Microは、組み立てキットに付属していないため、必ず2つ購入することになります。
Pro MicroにもマイクロUSBタイプとType-Cのタイプがあります。
現在はType-C接続が主流なので、Type-CのPro Microを用意すると幸せになれると思います!
なので、Type-Cのリンクを添付しておきます。
【必須|遊舎工房】TRRSケーブル
左右に分割されているKeyballは、TRRSケーブルで有線接続することになります。
必ず1つ用意しましょう。
さらに見た目にこだわりたい方は、Jizai StyleのTRRSケーブルもおすすめです。
L字タイプのやつとか本当にかっこいいです!
【オプション|遊舎工房】LED装飾
キーボードを光らせたい場合はLEDが必要になります。
キー数によって搭載可能なLED数が異なりますので、購入したキー数に合わせた個数を購入してください。
Keyballの種類 | 必要個数 |
Keyball39 | 46個 |
Keyball44 | 59個 |
Keyball61 | 71個 |
【必須|遊舎工房】キースイッチ
キーボードには、キーの入力判定するための部品である「キースイッチ」が必要になります。
キースイッチも組み立てキットに付属していないため、自分で用意する必要があります。
キースイッチの種類
キースイッチには様々な種類がありますが、Keyballの対応しているキースイッチは「Cherry MX互換キースイッチ」と「ロープロファイルキースイッチ」の2つです。
それぞれの違いは下記の通りです。
Cherry MX互換のキースイッチは、自作キーボードのスタンダードであり、種類が豊富です。
多彩な選択肢から自分の好みに合ったスイッチを選ぶことができます。
一方、ロープロファイルキースイッチは、5つの親指キーに使用することができる高さの低いキースイッチのことです。
高さが低い分、親指への負担を最小限に抑えることでき、より快適な操作感を実現することができます。
必要なキースイッチの数
Keyballのキー数によって必要なキースイッチ数は異なります。
自身が購入するKeyballのキー数によって必要な個数を購入しましょう。
Keyballの種類 | Cherry MX | ロープロファイル |
Keyball39 | 34個 | 5個 |
Keyball44 | 39個 | 5個 |
Keyball61 | 56個 | 5個 |
おすすめのキースイッチ
選ぶのがめんどくさいという人向けに、私のおすすめを貼っておきます。
これ買っておけば間違い無いです笑
- Cherry MX互換
- ロープロファイル
【必須|遊舎工房】キーキャップ
キースイッチに付ける「キーキャップ」も必要になります。
キーキャップもたくさん種類があるので、私のおすすめを貼っておきます。
Cherry MX互換
ロープロファイル
準備中
【オプション|Booth】ケース
組み立てキットにはアクリル板が付属しているだけで、ケースは付属していません。
Keyballの見た目をこだわりたい方は絶対にケースの購入をおすすめします。
アクリル板だけのシンプルなKeyballが
ケースを付けるとこんな感じの見た目に大変身しちゃいます!
【必須|Amazon】トラックボール
Keyballの主役であるトラックボールは、組み立てキットに付属していません。
そのため、お好みの34mmトラックボールを用意しましょう。
【必須|Amazon】Type-Cケーブル
KeyballとPCを接続するためのケーブルです。
お家にあるケーブルを使ってもよし、買ってもよしです。
Keyballの組み立てに必要な工具
Keyballを製作するには、いくつかの工具も必要になります。
全部Amazonで揃えられるので、外に出る必要なしです笑
各工具の使い方を学べるような動画も添付しておきますので、使い方はそちらの動画を参考にしてください。
ちなみに、こちらで紹介しているものは私が実際に使用しているものになりますので、リンク先のものを購入しておけばKeyballの組み立てで困ることはありません。
【必須】はんだごて
はんだごてには、温度調整ができるものとできないものがあります。
こちらの記事を読んでいただいている方は、はんだ付け初心者の方が多いかと思います。
Keyballの製作時には、はんだごての温度を基本320℃にするため、温度調整ができるものをおすすめします!
私が使っているものは下記のものになりますので、下記を購入しておけば間違えないです。
【必須】こて先クリーナー
はんだごての先端部分をきれいにするために、こて先クリーナーが必要になります。
はんだ付けがとても楽になりますし、こて先を長持ちさせるために用意しておきましょう。
【必須】はんだごてスタンド
はんだごてはとても高温になります。
怪我の防止や机を焦がさないためにもスタンドは用意しておいた方がいいです。
【必須】はんだ
はんだには色々な種類があります。
その中でも初心者の方に一番おすすめなのは鉛入りはんだです。
鉛が入っているため、環境にあまり良くないというデメリットはありますが、融点が低く、初心者の方でも扱いやすいです。
【ほぼ必須】フラックス
はんだ付けをスムーズかつ楽にしたい人は用意した方がいいです。
私はフラックスを使い始めてから、はんだ付けのスピードと正確さが格段に上がりました。
はんだ付けをする部分に、事前にフラックスを塗っておくだけで、劇的にはんだが定着しやすくなります。
【ほぼ必須】はんだ吸い取り線
はんだ付けに失敗したときに修正するためのものです。
「私失敗しないので」な人以外は持っておくといいです。
【ほぼ必須】作業マット
はんだ付け作業中に机を汚したり焦がさないようにするためのものです。
はんだ付け作業中は、はんだが飛んだりもするので私は必ず使用しています。
【必須】ピンセット
Keyballの制作では、とても小さな部品を取り扱うためピンセットは用意しておきましょう。
基本的に先曲がりピンセットがあればOKです。
こちらはなくてもOKですが、ストレートタイプがあるとキーソケットなどの少し大きな部品を掴むのにとても便利です
【必須】マスキングテープ
基盤の裏表確認や部品の固定のためにマスキングテープを使用してください。
100均のもので構いませんが、一応Amazonのリンクも貼っておきます。
【必須】0番+精密ドライバー
Keyballにアクリル板を付けたり、市販のカバーを取り付ける際には、ドライバーが必要になります。
【オプション】カッター
親指キー5個をロープロファイルスイッチに切り替える場合は、トッププレートなるものを切断する必要が出てくるためカッターが必要になります。
ロープロファイルに対応させようと思っている方は購入しておきましょう。
もちろん、家にあるカッターでもOKです。
オルファ(OLFA) ハイパーAL型 オートロック式大型カッター 193B
【オプション】紙やすり
こちらもカッターと同じく親指キー5個をロープロファイルスイッチに切り替える方のみ必要になります。
カッターで切り離したトッププレートを紙やすりできれいにするために使用します。
100均のもので構いませんが、一応Amazonのリンクも貼っておきます。
Keyballの組み立てについて
これまで必要なものをすべて紹介してきました。
全部揃えることはできましたか?
あとは、組み立てるだけです!
では、張り切って行きましょう!
はんだ付けのやり方
公式のKeyballビルドガイド(組み立て方法)がとても親切なので、はんだ付けのやり方を学ぶだけでKeyballの組み立てはできると思います。
ということで、まずははんだ付けを学ぶところからやっていきましょう!
ちょっと座学みたいな形になりますが、ここだけ頑張ればほぼ完成は見えてきます。
それでは、以下の通りはんだ付けの詳しいやり方を動画で解説してくれているので、そちらを見て学んでみましょう!
【永久保存版】はんだ付けのやり方を解説します【はんだづけの原理, DIP部品, 表面実装】【イチケン電子基礎シリーズ】RX-802AS
遊舎工房のはんだ練習用プラクティスボード
Keyballのはんだで失敗するのが怖い人は、遊舎工房さんのプラクティスボードで練習してみるといいと思います。
少しお高いので躊躇してしまうのですが、マクロパッド的な使い方もできるのでKeyballとの併用もありだと思います。
また、こちらのビルドガイドがとても優秀なので、購入しない人もぜひ見てみてください。
基本的なはんだの付け方からLEDの実装まで、Keyballに必要なはんだ付けは網羅されています。
組み立て経験談
Keyballの組み立てをする前に、他の方の組み立て体験談を見ておくとなお良いです。
というのも、他の人がどこで失敗したところを文書ベースで経験できるからです。
おすすめの体験談は下記の通りです。
LEDの実装方法例
はじめての自作キーボード:Keyball61 – チラシのすきま
Keyball 44レビュー | 逸品。世界に通用すると思う。買うべき
ビルドガイド
はんだ付けのイメージができたら、次は実際にビルドガイドを使ってKeyballを組み立てていきましょう。
ビルドガイドは以下の通りです。
【Keyball39】ビルドガイド
【Keyball44】ビルドガイド
【Keyball61】ビルドガイド
自作キーボードに役立つショップ
遊舎工房ショップ – 自作キーボード専門店
TALPKEYBOARD SHOP – キーボードパーツのセレクトショップ –
https://shop.tai-hao.com
Keyball組立サービス
ここまで記事を読んだけど、やっぱりKeyballって難しそうと感じた方は、ぜひ組立サービスをご利用ください。
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